ワンダフルストーリーvol.2 「歌とフレンチトースト」

歌とフレンチトースト

「何かお好きなこと、始められたらいかがですか?」
ご自宅に引きこもる生活が続いていた坂本さまに、そう申し上げました。
「…そうだね、何か始めてみようか」
お料理を作るキャストサービスとして毎週、坂本さま*のお宅に伺うようになって2年目のことだったと思います。もともと前向きな坂本さまでしたが、脳梗塞で倒れられて以来、外に出る機会がすくなくなっておりました。

何か生活に変化をもたらすきっかけが必要なように感じ、歌がお好きだと聞いていましたので、私の息子が通っているご近所の歌の先生のお話しをしてみたのです。

私の家は自転車で10分ほど、ご近所や界隈を知っているので、安心感があるのでしょう。奥さまを亡くされてお一人でお住まいの坂本さまは、生活のちょっとしたことなどもお尋ねになるのでした。
歌のレッスンの話もそんな風にお話しを伺っていた時に出たことでした。坂本さまには、何か生活に変化をもたらすきっかけが必要なように感じ、歌がお好きだと聞いていましたので、私の息子が通っているご近所の歌の先生のお話しをしてみたのです。
それからというもの、坂本さまは毎週、歌のレッスンに通われるようになりました。お宅でも楽しまれて歌っているようで、「先生から音域が広がったと言われましたよ。この年でも音域って広がるんだね」と嬉しそうに報告してくださいました。
その後もバイオリンを習いに行かれたり、「いつの間にか上手くなった」とお友達に褒められたりと、たいへん積極的になられたのです。
その後も、ご相談を受けて、漢方を処方するお医者様をご紹介したり、整体の治療院をお教えしたりしました。今では、体調もすっかり戻られて、毎日のように歌やバイオリンのレッスン、プール、ゴルフやご旅行と楽しまれています。今年5年目になる歌の教室のファミリーコンサートでは、イタリア語で歌を披露されるそうです。

歯が痛くて何も食べられないとおっしゃったときのこと、何がいいかしらと思い…

毎回お作りしているお食事は、健康面に気をつけて、お野菜中心のお料理にしています。季節の材料を使い、肉厚しいたけの三つ葉衣のてんぷらにすだちをかけて召し上がっていただいたりと、ひと工夫したお野菜料理をお出ししています。お肉好きでいらっしゃるので、メイン料理では、たとえば、酢豚ならお野菜をいっぱい入れて作ります。最近、息子さんが同居されることになり、朝、温かいものを食べさせたいとおっしゃるので、クリームスープとコンソメスープのお作り置きもしていきます。
そういえば、歯が痛くて何も食べられないとおっしゃったときのこと、何がいいかしらと思い…、卵と牛乳をパンに浸して、弱火でじっくり焼いて、フワッとしたフレンチトーストをお出ししたのです。やわらかくて温かくてほんのり甘い、初めて口にしたお味だったようで、「フレンチトーストの虜になった!!」とおっしゃられ、それ以来、毎回フレンチトーストをお作りするようになりました。
立場上、こちらから何か申し上げるのは、差しでがましい。やめておいたほうがよいと思われるかもしれません。でも、お客さまのお話しを十分に聞いたうえでなら、申し上げたことが助けになることもあるように感じます。その時に本当に求められていることをするのに、ためらうことはないと思えるのです。
坂本さまがご自分の趣味の世界を充実させて、生活をエンジョイされているのを、いつもたいへん嬉しく思っています。
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